導入事例

【VMware vSAN 導入事例】 株式会社タンガロイ 様

2022/06/10

仮想化基盤をVMware vSANで刷新。スケーラビリティと業務対応スピードを向上させ、自前運用のノウハウをVMware Learningで習得

超硬工具大手メーカーのタンガロイはVMware vSphereベースの仮想化基盤を運用してきましたが、導入から7年以上が経過した3Tier構成のハードウェアが老朽化し、ストレージのスケーラビリティは限界に達していました。不足するリソースを外付けのローカルHDDや他社の仮想化基盤で補っていたものの、システムの並立運用が煩雑化をもたらし、ガバナンスの観点からも大きな課題となっていました。そこでインフラ刷新にあたってVMware vSANベースのHCIを導入。工場のスマート化など新たなIT戦略と、グローバルなビジネスを支えていくスケーラブルな仮想化基盤を実現しました。

導入前の課題

  • 老朽化した仮想化基盤のスケーラビリティが限界に達してリソースが不足
  • VMware vSphereと他社ハイパーバイザー基盤を並立した運用で管理が煩雑化
  • 激甚災害などを想定した事業継続性確保のための対策が未着手

導入効果

  • VMware vSANによりストレージの柔軟なスケーラビリティを確保
  • 頻繁なアップデート作業からの解放による運用工数の削減
  • 洗練されたUIのもとで仮想化基盤全体のリソースの利用状況を包括的に監視
  • VMware Learningにより仮想化基盤の運用に必要な最新の知識とスキルを習得
  • 事業継続性強化の一歩となるDR(災害復旧)環境を構築

「VMware vSANのメリットを最大限に生かすことで、柔軟なスケーラビリティを確保でき、仮想マシンの構築スピードは格段に向上しました。さらにVMware Learningを利用することで、新たな仮想基盤をベンダーに頼らず自分たちで運用していける知識とスキルを習得することができました」

プロジェクトメンバー

IMCのグローバルなIT戦略の一角を担う

金属加工用切削工具をメインとし、粉末冶金技術を根幹とした応用製品として、摩擦材料部品、耐摩耗工具、土木建設用工具を主力製品とするタンガロイは、コアコンピタンスである粉末冶金技術と最先端の生産技術力を生かし、ものづくりを支えるさまざまな新製品を生み出しています。

また、永らく東芝グループの企業であった同社は2004年にMBOにより独立。さらに2008年に超硬工具で世界トップクラスのシェアを持つイスラエル系企業IMCの傘下に入り、グループの一員となりました。

これに伴いITの運用体制も再編され、タンガロイのIT部門はIMCのグローバルなIT戦略の一角を担うこととなり、現在は17名のメンバーが基幹業務系(IMC内製のERP)、エンジニアリング系(CAD/CAM、工具・材料設計開発)、インフラ系(サーバー、ネットワーク、PC、電話の管理導入)の大きく3つのグループに分かれて活動しています。

タンガロイ 情報システム部 渡辺 恵介氏は、「製造設備に対してIoTの展開を進めており、製造の効率化を推進しています。加えてRPAを導入し、単純作業の廃止および自動化を進めています」と語り、Industry 4.0(第四次産業革命)を見据えた工場のスマート化を推進しています。

スケーラビリティの限界を迎えていた旧仮想化基盤

ただ、この取り組みを妨げるネックとなっていたのが、前回の更改から7年が経過し、ハードウェアがスケーラビリティの限界を迎えていた3Tier構成によるVMware vSphereベースの仮想化基盤です。

「導入当初の想定を上回るペースでデータが指数関数的に増加し、共有ストレージ筐体にはスロットの空きがなくなりディスクの増設ができなくなっていたのですが、コロナ禍の影響もあってリプレイスのプロジェクトが遅れ、既存のハードウェアを延命せざるを得ない状況にありました」と渡辺氏。

続けてタンガロイ 情報システム部の鈴木 豊氏は、「共有ストレージからあふれたデータを、外付けのローカルHDDに逃がす形で運用していたのですが、その容量はどんどん膨らみ続ける一方です。ガバナンスも行き届かないだけにセキュリティの懸念も高まっていました」と話します。

リソース不足の影響があらわれていたのはストレージだけではありません。この7年間で仮想マシンの数は当初の約60台から80台以上へと増えていますが、 ホストサーバー側に十分なメモリ容量がなく仮想マシンの動作が不安定になっており、新規の仮想マシンを求めるビジネス側のリクエストに応える余裕もなくなっていました。

そこでタンガロイは既存のVMware vSphere環境とは別に他社のハイパーバイザーを用いた仮想化基盤を設け、一部の仮想マシンを退避させていたのですが、そこでも多くの課題が発生していました。「他社の仮想化基盤ではホストOSに対して頻繁にセキュリティパッチを当てなければならず、運用が煩雑化するとともにトラブル対応にも苦慮していました」と鈴木氏は明かします。

仮想化基盤を改めてVMware vSphereに統合

これらの課題を踏まえてタンガロイは、2021年10月にインフラ刷新のプロジェクトを始動。「リソース拡張をよりスケーラブルに行えること」、「IMCグループのバックアップポリシーを満たすこと」を基本とすると共に、「 DR(災害復旧)可能なソリューションであること」を新たな条件に加えたRFP(提案依頼書)を作成しました。そして複数のベンダーから寄せられた提案を比較検討し、最終的に選定したのが、VMware vSphereおよびVMware vSANをベースとする仮想化基盤です。

「ファイルサーバーを新たな共有ストレージに分離した上で、2種類のハイパーバイザーが並立していた仮想化基盤を改めてVMware vSphereに統合したいと考えました。もっとも従来どおりの3Tier型を踏襲したのでは、ふたたびリソース不足の問題が発生する可能性があるため、より柔軟かつ大規模なスケーラビリティを確保できるストレージ仮想化の仕組みとして、IMCからも推奨された4ノード構成のVMware vSANを採用することになりました」と渡辺氏は話します。

これと併せてタンガロイは、同様にIMCから推奨されたVeeam Backup&Replicationを導入しています。Veeam Backup&Replicationは、VMware vSAN認定を受けた製品として、仮想マシンごとのストレージポリシーまで含めてバックアップ&リストアできる、VMware vSphere上のアプリケーションをエージェントレスでバックアップできるなど高い親和性を発揮します。

具体的なバックアップの運用方法として、「VMware vSphere環境に統合したすべての仮想マシンを丸ごとVeeam Backup&Replicationで重複排除をかけてバックアップし、1つのイメージにまとめてステージングディスクに保存しています」と鈴木氏は説明します。

また、新たな選定条件に加えられたDRについてはVMware vSphere標準の レプリケーション機能(vSphere Replication)を利用。特に重要なシステムの仮想マシンを福島県いわき市の本社と愛知県日進市のDRサイトの間でレプリケーションする体制を構築しました。

VMware Learningを利用して最新の知識とスキルを習得

タンガロイは上記のソリューションを導入するにあたり、ヴイエムウェアが提供するトレーニングコースであるVMware Learningを利用しています。

「以前からVMware vSphere環境を利用してきたとはいえ、今回は7年ぶりのシステム刷新であり、新しい基盤運用で必要とされる知識とスキルを身に着けなければベンダーと対等に話すことができませんし、仮想ストレージのサイジングにも自信を持てません。そこでまずはVMware vSANの2コース(Plan and Deploy、Management and Operations)を受講することにしました」と渡辺氏。

「コロナ禍ということもあってオンライン形式での受講となりましたが、ESXi障害時の対応方法やVMware vSANのディスク障害時の対応方法、スケールアップの方法など、運用上で特に重要となるポイントについて、その場からチャットで講師に質問することで疑問を解消し、VMware vSANの全体的な構成や仕組みを理解できました。おかげで実際に運用を開始してからも問題なく運用できています」と鈴木氏は、その効果を話します。

さらに今後に向けてタンガロイではVMware vSANのトラブルシューティングや、今回の一連のソリューションと同時に導入したVMware vRealize Log Insightのトレーニングの受講も検討しています。

「IMCグループではシステム構築・運用の内製化を基本としており、タンガロイにおいてもIMCのイスラエル本社が調達・手配したインフラを用いてシステムを構築しなければならないケースが増えています。インフラ系のサーバーの担当者は私と鈴木の2名しかいませんが、ベンダーに頼らずとも、ある程度自分たちでやっていける実力を備えるためにも、広範なスキルの習得が欠かせません」と渡辺氏は意欲を示しています。

新しいビジネス要件に対応できる環境が整った

現在、VMware vSphereおよびVMware vSANをベースに刷新された仮想化基盤には、ユーザー認証(Active Directory)サーバーや帳票系、顧客管理、EDI(電子データ交換)、DHCPサーバー、社内ポータルサイト、ワークフロー、人事給与、勤怠管理、エンジニアリング系の技術文書検索やCAD/CAMのライセンスサーバーなど、社内の主要なシステムを運用する70台以上の仮想マシンがすでに移行を完了。安定した稼働を続けています。

そしてこの新しい仮想化基盤は、運用面で大きな改善をもたらしました。

「仮想化基盤がVMware vSphereに統合されたことで、他社の仮想化基盤で手を煩わされていた頻繁なアップデート作業から解放されました。管理者向けのUIも以前と比べて大幅に洗練されており、仮想化基盤全体のリソースの利用状況が包括的に監視できるようになりました」と鈴木氏は話します。

さらにホストサーバーのハードウェアが更新されたことと、サーバーハードウェアの性能を最大限に活用するvSANの導入によりパフォーマンスが向上したことも大きな改善のポイントです。

「VMware vSANのメリットを最大限に生かし、新しい仮想マシンの構築スピードは格段に向上しました。業務部門のユーザーからリクエストを受けて、1時間もかけずに必要な仮想マシンを提供することが可能です。これまでのようにCPU数やメモリ容量に制限を加えることもありません」と渡辺氏は語ります。仮想マシンの移行作業は現在も続いているため本格的な利用はこれからですが、「仮想化基盤のリソースに余裕が生まれたことで、新しいビジネス要件に対応できる環境が整いました」と渡辺氏は強調します。

また、初めて整備されたDR環境も稼働を開始しており、タンガロイは事業継続性のさらなる強化に向けた取り組みを前進させていく構えです。

さらに、いわき市の本社工場ではIoTによるロボットの稼働監視や制御を積極的に取り入れた新棟の建設も進んでいます。欧米や中国、インドなど海外からの旺盛な需要に対応すべく、生産やサプライチェーンの自動化を目指すIT戦略の要としても、今回刷新された仮想化基盤が大きな役割を担っていくことになります。

プロジェクトメンバーのご紹介

株式会社タンガロイ 情報システム部 渡辺 恵介 氏
株式会社タンガロイ
情報システム部
渡辺 恵介 氏
株式会社タンガロイ 情報システム部 鈴木 豊 氏
株式会社タンガロイ
情報システム部
鈴木 豊 氏

お客様情報

お客様名 株式会社タンガロイ
WEBサイト https://tungaloy.com/ttj/
カスタマープロフィール 超硬合金のパイオニアとして1934年創業以来、高い材料技術力と最先端の生産技術力により、金属加工用切削工具をメインとする様々な新製品を作り出し、お客様のものづくりに貢献し続けている。また、粉末冶金技術を根幹とした応用製品として、摩擦材料部品、耐摩耗工具、土木建設用工具などユニークな優れた製品も加え、お客様から絶大な支持と信頼を獲得している。2004年に東芝グループから独立し、社名を現在の株式会社タンガロイへと変更。さらに2008年9月にIMCの傘下に入った。
導入環境
  • VMware vSphere
  • VMware vSAN
  • VMware Learning

※本文中に記載されている会社名及び商品名は、各社の商標または登録商標です。
※本記載内容は2022年4月現在のものです。

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